【プロが解説】パワコン故障の症状と原因、修理費用を抑える対策と交換まで解説

  • 2026年1月3日
  • 2026年1月3日

太陽光発電のパワコンに不具合が生じ、「故障かもしれない」と不安を感じていませんか?モニターのエラーコード表示や発電量の急激な低下、異音といった症状は、放置すると売電収入の大きな損失やシステムの完全停止に繋がります。

この記事では、プロが教える故障のセルフチェック方法から、主な原因である寿命や外部要因までを網羅的に解説します。さらに、修理や交換にかかる費用の相場に加え、メーカー保証や火災保険を活用してコストを抑える賢い対策も紹介します。焦らず適切な対処を行うことで無駄な出費を防ぎ、早期に発電を復旧させましょう。

1. パワコン故障が疑われる代表的な症状とセルフチェック

太陽光発電システムの心臓部であるパワーコンディショナ(パワコン)に不具合が生じると、売電収入の減少だけでなく、火災などの重大な事故につながるリスクがあります。故障の兆候を早期に発見し、適切な処置を行うことが重要です。ここでは、故障が疑われる際によく見られる代表的な症状と、所有者自身で確認できるセルフチェックのポイントについて解説します。

1.1 モニターにエラーコードが表示されている

パワコンに何らかの異常が発生した場合、本体のモニターやリモコンに英数字の「エラーコード」が表示されることが一般的です。一時的なものもありますが、これは故障を知らせる最も分かりやすいサインです。表示されるコードはメーカーや機種によって異なりますが、電圧の異常や温度上昇、通信エラーなどを示しています。

エラーコードが表示された場合は、まず取扱説明書を確認し、そのコードが何を示しているかを特定してください。一時的なシステムエラーであれば、再起動や復旧操作で直ることもありますが、頻繁に表示される場合や消えない場合は内部故障の可能性が高まります。

以下に、多くのメーカーで見られる一般的なエラー表示の傾向を整理しました。

エラーの分類 主な症状と原因 対応の目安
系統電圧・周波数の異常 電力会社の送電網(系統)側の電圧や周波数が規定値を超えた場合に発生します。一時的なものであれば自動復帰することが多いです。 様子見(頻発する場合は電圧抑制の対策が必要)
温度異常 パワコン内部の温度が上昇しすぎています。フィルターの目詰まりやファンの故障、設置環境の高温化が原因として考えられます。 吸気口の清掃・周囲の障害物除去
直流過電圧・地絡 太陽光パネルからの入力電圧が高すぎる、または漏電(地絡)が発生している危険な状態です。 直ちに専門業者へ点検を依頼
制御・通信系の異常 内部基板の不具合や通信ケーブルの断線などが疑われます。再起動しても改善しないケースが多いです。 修理または交換の検討

1.2 発電量が急激に低下しているまたは停止している

モニターにエラーが出ていなくても、発電量が明らかに落ちている場合は故障の疑いがあります。特に、晴天の日中であるにもかかわらず発電量がゼロ、もしくは極端に低い数値を示している場合は要注意です。

例えば、近所にビルが建ち太陽光パネルに影がかかっていないか、落ち葉や汚れが堆積していないかを目視で確認しましょう。パネル側に問題がないようであれば、パワコン内部の回路故障や、直流を交流に変換する機能が停止している可能性があります。複数のパワコンを設置している場合は、正常な他のパワコンと発電量を比較することで異常を見つけやすくなります。

1.3 本体から異音や異臭が発生している

パワコン稼働中は、内部の冷却ファンが回る音や、「ジー」というインバータの動作音がすることがありますが、これらが普段とは異なる大きさや音質になった場合は故障の前兆です。

例えば、「カラカラ」「ガリガリ」といった異音がする場合、冷却ファンに異物が挟まっているか、経年劣化によるベアリングの摩耗が考えられます。また、最も警戒すべきなのは「焦げ臭いにおい」や「異臭」です。これは内部のコンデンサや基板がショートして焼損している、あるいは配線の接続不良による発熱が原因である可能性が高いです。

異臭や煙を確認した場合は、火災に発展する恐れがあるため、直ちにパワコンの運転を停止(ブレーカーを落とす)し、施工店やメンテナンス業者へ連絡してください。

1.4 パワコンの電源が入らないまたは再起動しない

モニターの表示が消えており、操作しても反応がない場合、パワコンへの電力供給が止まっているか、内部電源の故障が考えられます。

この症状が出た際のセルフチェック手順は以下の通りです。

  1. 分電盤のブレーカー確認
    太陽光発電用の連系ブレーカーが「切(OFF)」になっていないか、またはトリップしていないかを確認します。
  2. 自立運転コンセントの確認
    停電時用の自立運転モードに切り替わっていないかを確認します。
  3. 再起動(リセット)の実施
    取扱説明書の手順に従い、一度電源スイッチをオフにし、数分待ってから再度オンにします。一時的な誤作動であればこれで復旧することがあります。

上記を試しても電源が入らない、あるいはすぐに落ちてしまう場合は、基板の寿命や落雷などの外部要因による完全な故障が疑われます。無理に操作を繰り返さず、専門家による診断を受けてください。

2. パワコンが故障してしまう主な原因

太陽光発電システムにおいて、パワーコンディショナ(パワコン)は非常に繊細な精密機器です。故障の原因は多岐にわたりますが、大きく分けると「経年劣化」「外部環境による汚れ」「自然災害」の3つに分類されます。それぞれの原因を正しく理解し、適切な対策を講じることが、システムの長期安定稼働につながります。

2.1 経年劣化による寿命と耐用年数

パワコンは24時間稼働し続ける機器ではありませんが、毎日の発電に伴い内部の半導体やコンデンサなどの電子部品が熱を持ち、徐々に劣化していきます。一般的に、パワコンの寿命目安は10年~15年と言われています。

太陽光パネルの寿命が20年~30年とされるのに対し、パワコンはそれよりも早く交換時期を迎えることになります。設置環境や使用状況によっては、目安よりも早く故障が発生することもあります。特に、稼働から10年を過ぎると故障率が急激に高まるため、計画的な交換やメンテナンスが必要です。

また、設置から1年未満など極端に短い期間で故障が発生した場合は、経年劣化ではなく初期不良施工不備(配線の接続不良など)の可能性が高くなります。この場合はメーカー保証が適用されるケースが多いため、早急に確認することが重要です。

経過年数 故障の主な要因 対応の目安
1年未満 初期不良、施工不備 メーカー保証での無償修理・交換
1年~9年 偶発的な故障、外部環境要因 保証範囲内での修理、有償修理
10年以上 経年劣化、部品の摩耗 新品への交換を推奨

詳しくは、一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)のFAQでも、パワーコンディショナの寿命や点検について言及されています。

2.2 フィルターの目詰まりや外部からの汚れ

パワコンの故障原因として見落とされがちなのが、通気口やフィルターの汚れです。パワコンは稼働中に熱を発するため、ファンを回して外部の空気を取り込み、冷却を行っています。この際、空気中のホコリや砂塵も一緒に吸い込んでしまい、フィルターが目詰まりを起こすことがあります。

フィルターが詰まると内部の熱を十分に排出できなくなり、高温状態が続くことで電子部品の劣化が加速したり、安全装置が働いて発電が停止したりします。特に交通量の多い道路沿いや工場の近くなどは汚れやすいため注意が必要です。

また、外部からの侵入者も故障の原因となります。配管の隙間や劣化した通気口から、虫やヤモリ、ネズミなどの小動物が内部に侵入し、基板に触れてショート(短絡)を引き起こす事例も少なくありません。定期的な清掃と、侵入経路となる隙間がないかの点検が、故障を未然に防ぐ鍵となります。

2.3 落雷や台風などの自然災害による影響

屋外に設置されることが多い太陽光発電システムは、自然災害の影響を直接受けやすいというリスクがあります。中でも代表的なのが以下の3つです。

  • 落雷(誘導雷):周辺に雷が落ちた際、地面や配線を伝って過大な電流(サージ)がパワコンに流れ込み、基板を一瞬で焼き切ってしまう現象です。
  • 台風・強風:暴風によって飛ばされてきた飛来物がパワコンの筐体に衝突し、破損や内部への浸水を引き起こします。
  • 水害:豪雨による床上浸水などでパワコンが水没すると、漏電や全損につながります。

こうした自然災害による故障は、経年劣化とは異なり突発的に発生します。完全に防ぐことは難しいですが、避雷器(SPD)の設置や、水はけの良い場所への設置といった対策で被害を軽減することは可能です。また、万が一に備えて火災保険や動産総合保険の補償内容を確認しておくことも重要です。

3. パワコン故障時の修理費用と交換費用の相場

パワコンが故障した際、最も気になるのが修理や交換にかかる費用です。メーカー保証期間内(一般的には10年〜15年)であれば、自然故障に対しては無償修理が適用されるケースが大半ですが、保証期間を過ぎている場合や、自然災害など保証対象外の原因による故障の場合は、全額自己負担となります。

修理で対応すべきか、思い切って新品に交換すべきかを判断するためには、それぞれの費用相場を正しく理解しておくことが不可欠です。ここでは、部分的な修理と本体交換、それぞれの費用目安について解説します。

3.1 部品交換や基板修理で済む場合の費用

パワコンの故障原因が特定でき、冷却ファンや内部基板などの部品交換のみで復旧する場合の費用です。修理費用は主に「技術料(出張費含む)」「部品代」「調査費」で構成されます。

特に注意が必要なのは、故障の原因を特定するための現地調査費だけでも数万円のコストが発生する点です。メーカーのサービスマンを派遣してもらうだけで、修理の可否に関わらず費用がかかることが一般的です。

以下は、保証期間外における部品交換・修理費用の一般的な目安です。

修理・作業項目 費用相場の目安 備考
現地調査・出張費 約2万 〜 3万円 故障原因の特定や見積もりのために発生
冷却ファン交換 約2万 〜 4万円 フィルター詰まり等による劣化で交換頻度が高い
基板の交換・修理 約5万 〜 15万円 制御基板や電源基板など、交換箇所により変動
内部ユニット交換 約10万 〜 35万円 主要回路を含むユニットごとの交換となる場合

軽微な部品交換であれば数万円で済みますが、心臓部である基板やユニットの交換が必要な場合、修理費用だけで10万円を超えることも珍しくありません。また、パワコン自体の交換になるケースがほとんどです。設置から8年以上経過している場合、一度修理しても経年劣化により別の箇所が故障するリスクが高いため、修理費用が高額になる場合は次項の本体交換と比較検討することが推奨されます。

3.2 パワコン本体を交換する場合の費用目安

修理が不可能な場合や、設置から10年以上経過して寿命を迎えている場合は、パワコン本体ごとの交換(買い替え)となります。交換にかかる費用は、「新しいパワコンの本体価格」「交換工事費」「古い機器の廃棄処分費」の合計です。

一般的な家庭用から小規模産業用(低圧)のパワコン1台あたりの交換費用は、工事費込みで約25万円〜40万円程度が相場となります。

修理と交換の比較
比較項目 部分修理(基板交換など) 本体交換(新品への更新)
費用目安 5万 〜 15万円 15万 〜 40万円
機器の寿命 延びない(他の部品は古いまま) リセットされる(新品として10〜15年)
メーカー保証 修理箇所のみ(3ヶ月〜1年程度) 新たに10年〜15年の保証が付帯
発電効率 現状維持 最新機種により変換効率が向上する可能性あり

本体交換のメリットは、発電効率の良い最新機種に切り替わることで売電収入の改善が期待できる点や、新たにメーカー保証が付くことで将来的な故障リスクに備えられる点です。

また、複数のパワコンを設置している発電所の場合、1台が故障したタイミングで全台まとめて交換することで、1台あたりの工事費や出張費を割安に抑えることが可能です。9年〜10年目は故障が増え始める時期であるため、個別に修理を繰り返すよりも、一括更新した方がトータルコストを削減できるケースが多く見られます。

4. 修理費用を抑える対策と賢い業者選び

パワーコンディショナー(パワコン)の修理や交換には、数十万円単位の費用が発生することも珍しくありません。しかし、事前に適切な確認を行い、利用できる制度を賢く活用することで、自己負担額を大幅に抑えられる可能性があります。ここでは、修理費用を最小限にするための具体的な対策と、信頼できる業者の選び方について解説します。

4.1 メーカー保証期間と適用条件を再確認する

故障が疑われる場合、最初に行うべきなのはメーカー保証書の確認です。一般的に太陽光発電システムには、メーカーによる10年または15年の製品保証が付帯しています。保証期間内であり、かつ自然故障などの保証適用範囲内であれば、無償で修理や機器交換を受けられる可能性が高いため、まずは保証期間の満了日をチェックしましょう。

ただし、保証期間内であっても全ての故障が無償になるわけではありません。例えば、台風や地震などの自然災害による破損、施工店による工事不備、またはお客様自身の過失による故障は、通常メーカー保証の対象外となります。保証書が見当たらない場合は、設置工事を行った販売店や施工会社に問い合わせることで、保証の登録状況や期間を確認できることがあります。

4.2 火災保険が適用できるケースを知る

メーカー保証が適用されない「自然災害」や「外部要因」による故障の場合、ご加入中の火災保険や動産総合保険が利用できるケースがあります。特にパワコンは屋外に設置されることが多いため、落雷による過電流や、台風時の飛来物衝突といった被害を受けやすい機器です。落雷や風災、水災などが原因で故障した場合は、火災保険の補償対象として修理費用がカバーされることが多いので、保険会社への確認をおすすめします。

また、契約内容によっては「電気的・機械的事故特約」が付帯されている場合があります。これが付帯されていれば、自然災害以外の突発的な故障であっても補償を受けられる可能性があります。以下の表に、一般的な補償の適用範囲を整理しましたので参考にしてください。

故障の原因 メーカー保証 火災保険(一般的な例)
製品の初期不良・自然故障 ○(対象) ×(対象外)※特約による
経年劣化(寿命) ×(対象外) ×(対象外)
落雷・台風・水災 ×(対象外) ○(対象)
飛来物の衝突・盗難 ×(対象外) ○(対象)

4.3 複数の施工店から相見積もりを取る重要性

保証が適用されず有償での修理・交換となる場合や、設置時の業者がすでに廃業している場合は、新たな施工店を探す必要があります。この際、提示された金額が適正かどうかを判断するために、必ず複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。3社程度から見積もりを取り寄せて比較することで、工事費用の相場を把握でき、不当に高額な請求を回避することができます。

業者を選ぶ際は、単に価格が安いかどうかだけでなく、対応のスピードや過去の施工実績、アフターサービスの充実度も重要な比較ポイントです。パワコンの交換には電気工事士の資格が必要となるため、有資格者が在籍し、法令を遵守した工事を行っている信頼できる業者を選定することが、将来的なトラブルを防ぐことにつながります。

5. まとめ

パワコンの故障が疑われる際は、まずモニターのエラーコードや異音、発電量の低下といった症状をセルフチェックしましょう。主な原因は10年から15年といわれる経年劣化や自然災害ですが、放置すると売電収入の損失が拡大してしまいます。

修理や交換の費用を抑える結論として、まずはメーカー保証や火災保険の適用範囲を確認し、その上で複数の施工店から相見積もりを取ることが最も有効です。不具合を早期に発見し、信頼できる専門業者へ相談することで、太陽光発電システムを長く安全に運用しましょう。

>石川企画合同会社

石川企画合同会社

創業2011年
累計 実績8,000件超
太陽光・蓄電池・EV・オール電化のトータル施工
全国対応
建設業:茨城県知事許可(般-03)第37444号
電気工事業:茨城県(西)登録 第20210005号

CTR IMG